シニア労災が増加する理由とは?健康経営で考えるプレゼンティーイズム対策
高齢化の進展に伴い、働くシニア世代は年々増加しています。
その一方で、60歳以上の労働災害(労災)件数も増え続けており、現在では労災による死傷者の約3割を高齢者が占める状況となっています。こうした背景から、2026年4月には改正労働安全衛生法が施行され、企業に対して高齢労働者の労災防止対策が努力義務として求められるようになりました。さらに近年では、更年期障害や睡眠不足、慢性的疲労などによる体調不良も、労災の要因として注目されています。特に問題となっているのが、体調不良を抱えながら働く「プレゼンティーイズム」です。本記事では、増加するシニア労災の背景と、健康経営におけるプレゼンティーイズム対策の重要性について解説します。
目次
1 増加するシニア労災の現状
1-1 高齢労働者の増加で労災リスクも上昇
近年、定年延長や人手不足の影響により、シニア世代の就労が増えています。経験豊富な人材として期待される一方で、年齢による身体機能の変化が労災リスクを高めています。転倒や墜落、無理な動作によるケガなど、高齢者特有の労災が増加していることが社会課題となっています。

1-2 改正労働安全衛生法への対応が求められる
こうした状況を受け、2026年4月に改正労働安全衛生法が施行されました。企業には、高齢労働者の特性に配慮した安全対策を講じる努力義務が求められています。単なる事故防止だけでなく、「安全に働き続けられる環境づくり」が重要なテーマになっています。
2 労災の背景にある“見えない不調”
2-1 更年期障害や睡眠不足も要因に
シニア労災は、単純な加齢だけが原因ではありません。更年期障害や睡眠不足、慢性的疲労など、日常的な不調が集中力や判断力を低下させ、事故につながるケースもあります。一見すると元気に働いているように見えても、身体の内側では大きな負担を抱えていることがあります。
2-2 「無理して働く」が事故につながる
体調不良を抱えながら働き続けることで、注意力低下や反応速度の低下が起きやすくなります。
特にシニア世代では、小さな体調不良が大きな事故につながるリスクがあります。
3 プレゼンティーイズムとは何か
3-1 出勤しているが本来の力を発揮できない状態
プレゼンティーイズムとは、出勤しているにもかかわらず、体調不良などによって本来のパフォーマンスを発揮できていない状態を指します。欠勤していないため問題が見えにくく、企業側も気づかないまま放置されるケースが少なくありません。
3-2 シニア労災との関係
疲労や睡眠不足による集中力低下は、転倒や操作ミスなどの労災リスクを高めます。
つまり、プレゼンティーイズムは単なる生産性低下の問題ではなく、安全管理上の重要課題でもあるのです。
4 健康経営で求められる視点
4-1 「健康」だけでなく「安全」も考える
健康経営というと、生活習慣改善やメンタルヘルス対策が中心になりがちです。
しかし今後は、「安全に働ける状態を維持する」という視点がますます重要になります。特にシニア世代では、体調管理と労災防止を一体で考える必要があります。
4-2 不調の見える化が重要
プレゼンティーイズムの問題は、見えにくいことです。そのため、アンケートやヒアリングなどを通じて、疲労感や睡眠状態、ストレスなどを可視化することが重要になります。
5 シニア労災対策として企業ができること
5-1 無理を前提にしない職場づくり
「経験があるから大丈夫」と考えるのではなく、年齢に応じた働き方を整えることが必要です。
業務負荷の調整や休憩環境の見直しなど、小さな改善が労災防止につながります。
5-2 相談しやすい環境を整える
体調不良を我慢して働くことが、事故のリスクを高めます。
そのため、気軽に相談できる環境や、無理をしない文化づくりが重要になります。
まとめ
働くシニア世代の増加に伴い、シニア労災への対策は企業にとって重要な課題となっています。その背景には、更年期障害や睡眠不足などによるプレゼンティーイズムが存在しているケースも少なくありません。健康経営は、単なる健康づくりではなく、「安全に働き続けられる環境づくり」へと視点を広げることが求められています。まずは、見えにくい不調に気づくこと。それが、シニア労災防止と生産性向上の第一歩となります。
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