健康経営認定が“採用目的だけ”で終わる会社の問題点
「健康経営優良法人を取得すれば採用に有利になる」
そう考えて、健康経営認定を目指す企業は増えています。
実際、求職者からの印象向上や企業イメージ改善など、採用面で一定の効果が期待されるのも事実です。
しかし一方で、
「認定を取ったのに応募が増えない」
「若手が定着しない」
「現場との温度差がある」
という悩みを抱える企業も少なくありません。
実は、健康経営認定が“採用目的だけ”になると、現場とのズレが生まれやすくなるのです。
本記事では、健康経営認定を採用対策だけで終わらせないために必要な視点について解説します。
目次
1 なぜ企業は健康経営認定を取得したがるのか
1-1 採用市場での差別化になる
人材不足が深刻化する中、多くの企業が採用競争に直面しています。
その中で、
・健康経営優良法人
・ウェルビーイング経営
・人的資本経営
などは、企業ブランディングの一つとして注目されています。
特に若手採用では、
「従業員を大切にしている会社」
という印象づくりに活用されるケースも増えています。

1-2 企業イメージ向上につながる
健康経営認定は、社外へのアピール材料にもなります。
ホームページや採用ページで掲載することで、
「働きやすそう」
「安心できそう」
という印象を持たれることがあります。
そのため、採用強化の一環として取得を目指す企業が増えています。
2 “採用目的だけ”になると何が起きるのか
2-1 現場とのズレが生まれる
問題なのは、「認定取得」が目的化してしまうケースです。
例えば、
・認定基準を満たすための施策
・社外向けアピール重視
・見栄え重視の制度導入
ばかりが増えると、現場は
「本当に必要なのはそこではない」
と感じることがあります。
このズレが、健康経営への不信感につながります。
2-2 “やらされ感”が強くなる
健康施策が増えることで、
・ストレスチェックや満足度調査への回答
・健康アプリへの日々の入力
・ウォーキングイベントへの参加
・健康セミナーや研修の受講
・面談やヒアリング対応
などが増えるケースもあります。
その結果、
「通常業務だけでも忙しいのに、さらに対応が増えた」
と感じる従業員も少なくありません。
本来、働きやすくするための健康経営が、現場によっては“追加業務”として受け取られてしまうことがあります。
3 若手世代は“認定”だけを見ていない
3-1 本当に見ているのは“現場の空気”
最近の若手世代は、制度や認定だけではなく、
・職場の雰囲気
・相談しやすさ
・人間関係
・心理的安全性
を重視する傾向があります。
つまり、
「健康経営認定を持っているか」
よりも、
「実際に働きやすいか」
を見ています。
3-2 SNSや口コミで実態が見える時代
今は、
・口コミサイト
・SNS
・社員投稿
などによって、企業の実態が見えやすくなっています。
そのため、
「認定はあるけど働きにくい」
状態は、すぐに伝わってしまいます。
結果として、採用効果が出ないケースもあります。
4 健康経営が逆効果になるケース
4-1 プレゼンティーイズムの増加
プレゼンティーイズムとは、
「出勤しているが、本来のパフォーマンスを発揮できていない状態」
を指します。
例えば、
・疲労
・心理的ストレス
・モチベーション低下
があると、生産性は低下します。
実は、“やらされ健康経営”によっても、この状態は起きます。
4-2 「会社のための施策」に見えてしまう
現場が、
「従業員のため」
ではなく、
「会社の評価のため」
と感じた瞬間、エンゲージメントは下がりやすくなります。
特に、
・現場の声が反映されていない
・負担ばかり増える
・目的説明がない
場合は、逆効果になる可能性があります。
5 本当に必要な健康経営とは
5-1 “認定取得後”が重要
健康経営は、認定を取ることがゴールではありません。
重要なのは、
「従業員が働きやすくなったか」
です。
例えば、
・離職率
・相談しやすさ
・疲労感
・働きやすさ
など、現場の実感が重要になります。
5-2 現状に合った施策を行う
企業ごとに課題は異なります。
そのため、
・若手定着
・シニア労災
・ビジネスケアラー
・メンタル不調
など、自社課題に合った施策が必要です。
“他社がやっているから”ではなく、
「自社に必要か」
を基準に考えることが重要です。
まとめ
健康経営認定を採用対策として活用すること自体は悪いことではありません。
しかし、
「認定取得だけ」
が目的になると、現場とのズレが生まれやすくなります。
今の時代、求職者や若手世代が見ているのは、
「認定があるか」
ではなく、
「実際に働きやすいか」
です。
本当に必要なのは、見栄えの良い施策ではなく、現場に合った健康経営です。
まずは、
「自社の従業員は何に困っているのか」
を知ること。
そこから、本当の健康経営が始まります。
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